神はすべての人が罪の中に
滅びることを願わずに、ある人々が救われるようにその人々を神は選ばれ、逃れ出る道を与えて下さった。その人たちは他の人たちより良い人だからとか、それ
に値するとかの理由で選ばれたのではない。無条件の選び。無条件で、彼らを愛することを神は選ばれた。ただ神がそうすることを望まれたので、それらの人々
が罪の刑罰から恵みによって救い出された。神がその人を選ばれたのは、その人を選びたいと神が願われたからであって、全くの神の好意。その人に何か良いも
のがあったからではない。この神の選びは、世界が創造される前から、永遠においてなされた。これを聖書は「選び」と呼ぶ。選ばれた人々は神の選びの民で
あって、キリストを信じるクリスチャン全てが選びの民である。罪深い人間に救いの道が開かれるのは、ただ神の憐み、神の恵みによる以外に無い。そして、た
だ神の力だけが、罪人を罪と悲惨の状態から救い出させてくれる。そもそも、全ての人はその罪のゆえに、全員滅びに値する。その中のある人々を神が選んで救
いに定めたとしても、神は不公平でひどい方だということは誰にも言えない。この世界と私たち人類すべてを作られた神様が、ただみこころのままに、愛に基づ
くご好意によって、ある人々を救いに選ばれたとしても、そのことを誰もとやかく言うことはできない。このことを「無条件の選び」という。救われた者が誇る
ことが出来る根拠は何一つない。また、失われた者がやがて行き着く悲しむべき地に着いても、そこで不平をこぼす根拠は何一つない。
神はアダムと契約を結んだ。罪を犯したアダムは全人類の代表としてその契約を破った。神が禁じた木の実を取って食べた。だから全人類が罪を犯した。全人
類はアダムにあって罪を犯し、アダムと共に堕落した。しかし神は第2のアダムと契約を結んだ。新たな神の民を代表する頭であるキリストと恵の契約を結ばれ
た。キリストはアダムが失敗した律法のすべての要求を満たし、ご自分の民に代わって、神様への完全に従順な生涯を送られた。そして彼らの罪の罰を全部、代
わりに引き受けられた。このことによって、ご自分の民を彼らの罪と悲惨から救ってくださる。
私たちは、自分自身の内に救われるべき理由は何もないこと、ただ神の愛に基づく召しと選びによって、キリストの十字架の贖いによって救われたことを覚えてゆきたい。