ダビデはモアブ人の曾祖母
ルツと遊女ラハブの子のボアズを曾祖父に持つ。少年時代には多くの兄たちにこき使われるようにして羊飼いの仕事をしており、決して恵まれた環境で育ったわ
けではなかった。しかし神はご自分の心にかなう者として、ダビデを選ばれた。(第一コリ1:27〜29)彼は羊を飼う野で神と交わり、羊を獣から守り、や
がて王としての資質を学んでいった。(詩23:1〜2)
その後、ダビデはゴリアテをたった一つの石で倒した。しかし、この時からサウル王の妬みを買い、命を狙われる苦難の生活が始まった。その苦難の中でも神はダビデを守り恵み、訓練を与えた。(ヘブル12:6)
その後、王となったダビデは、王国が固く立つ頃、心にゆるみが生じた。苦労して何かを達成した時こそ、心に緩みやおごりの心が起きる。(第一コリ10:12)
アンモンとの戦いのさ中、王宮にとどまったダビデはバテ・シェバと姦通し、彼女が妊娠すると、その隠蔽のために夫ウリヤを戦場で殺す。ダビデは真っ逆さ
まに滅びの淵に落ち込む。神は預言者ナタンを遣わし、ダビデを悔い改めに導く。ダビデはナタンの言葉を神のことばと受け止めて、深刻な悔い改めへと導かれ
る。神はダビデの悔い改めを受け入れ、赦されるが、罪の結果は刈り取らせた。(ガラ
6:7)その後、バテ・シェバとの不義の子は死に、やがて家庭は崩壊し、アブシャロムは、父ダビデに謀反を起こし、王国を二分する内乱に発展した。
詩篇32篇と51篇は、ダビデの真実な悔い改めの詩編である。ダビデのように神に恵まれた者が、恐るべき罪の深みに陥った例は少ない。しかしまた、彼ほ
ど深刻に罪に向き合い、悔い改めた者もまれである。彼が深い罪の泥沼にまみれながらも、なお引き上げられたのは実に彼のこの悔い改めによっている。
神の子とされた私たち一人一人を、神はダビデ同様愛し恵まれる。罪を真実に悔い改める時、キリストの十字架ですべて贖い、赦し、回復してくださる。この神の愛を信じ、この週も神と共に歩もう。