サムエルは、母ハンナの信
仰と祈りによって育てられた。乳離れした後は、年老いた祭司エリに導かれて神に仕えていた。しかし神の人は、教育や才能だけで作られるのではない。最大の
要件は、神の召しにある。霊的に最低の状態の中で、神は幼子サムエルに語り掛けた。(3:10)
成長したサムエルは、イスラエルのために祈り、とりなし、各地を行き廻って、民を教えた。そしてついに民が主を求めるようになった。サムエルはその後も変わることなく民のために祈り続けた。(7:8、12:23)
その後、サムエルの息子たちの問題を口実に、民は王を求めた。しかしサムエルは怒らず、神に祈った。神はみこころを示され、サウルを王に任命した。やがてサウルが神に背くと、サムエルは主に祈り、ついにダビデに油を注ぎ王に任命した。
レビ族の中のケハテ族の家系であるコラは、モーセと神に反逆した。しかしコラの子のエブヤサフはその反逆に加わらなかった。サムエルは、その子孫であ
る。サムエルの子たちはわいろを受け取るような人物だったか、孫にあたるへマンは聖歌隊の指導者として、ダビデの時代に賛美をリードして礼拝を導いた。
「コラの子たち」とはサムエルの孫へマンの子孫たちである。
サムエルは、どのような時にもイスラエルの民のために最善を尽くして神にとりなし、仕えた。イスラエル王国を建てたのはサウルとダビデだったが、彼らを
見出して油を注いで任命したのはサムエルで、彼が王国の基礎を据えたと言ってもいい。サムエルが油注いだダビデにより王国は固くたち、サムエルが創設した
預言者学校によって、神のことばはその後も人々に語り継がれていった。それはやがてダビデの子孫のキリストによって、神の国をもたらす備えとなった。