2018年11月25日
 コリント人への手紙 第二 4章13節
題目 「信じているゆえに語る」
星出 卓也 牧師

説教(奨励)要旨

 使徒パウロが伝道者として歩んだ働きは、「四方八方から苦しめられ」、「途方にくれ」、「迫害されて」、「倒され る」と書かれている通りに、毎日が死の連続でした。そのような現実の中で、パウロが歩んだ足跡にはキリストを信じる人々が生み出され、主の教会が起こされ ました。キリストに従う永遠のいのちが、死の現実の中で生み出されていったことは、まさに人間の可能性を越えた神の御業でした。この神を信じているがゆえ に、私は尚も語り続ける、とパウロはこの箇所で語っています。

 第二次世界大戦下のドイツにて、主の民であるよりもドイツ民族であることを優先するという「アーリア条項」が全ドイツの教会に課せられました。教会はキ リストのみのものであるとの確信に立つ牧師たちは、アーリア条項に反対する牧師緊急同盟を結成して、告白教会を形成します。しかしやがて告白教会に連なる 諸教会は財政的困窮に追いつめられ、牧師たちは投獄され、大勢が獄死し、教会の多くが閉鎖に追い込まれ、ドイツが敗戦を迎える前に、告白教会は組織におい てほとんどが潰されました。しかし、主を信じ続け、語ることを辞めなかった彼らの信仰を、誰も奪うことができませんでした。

 パウロが持ち、ダビデが詩篇116篇で告白した同じ信仰の御霊を、私たちもまた持ち続けて、信じ続けるがゆえに語り続ける者とさせていただきたいと思います。
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