ナオミの人生が急転する。彼女は、故郷を離れモアブの地に移住し、そこで夫と息子たちを失う。モアブでの10年間は苦難の連続で、二人の嫁が残されるが、ナオミは再婚して新たな夫の家で平和に暮らすため、二人にモアブに帰るよう促す。
しかしルツは、ナオミとともに行く決意をする。イスラエルに敵視されていたモアブ人のやもめルツにとって、ユダの地で期待できることは何もなかったはず
だった。しかし、ナオミの家族を通して、ルツは真の神に出会った。そしてルツは、自分の民とその神に帰る決断をしなかった。ルツの歩もうとした道は、人間
的には非常につらい道であった。しかし神は、彼女の信仰をご覧になった。どんなにつらい道でも、神に従順に従うところに恵みが与えられる。合理的で常識的
な決定が、いつも正しいとは限らない。故郷にとどまることが最も理にかなっていたが、ルツはそれを受け入れなかった。
すべてを失って帰国したナオミを、ベツレヘムの友人たちは歓迎した。大麦の借り入れのころ、つまり4月下旬。ここから主の恵みが展開してゆく。
神は、苦しみの中でもご自身に拠り頼む者を導かれる。目の前の問題ばかりを見て、自分で何とか解決しようとせずに、すべてを御手の中で治められる神を仰ぎ
見よう。神の目には、永遠が見えている。神は時に、苦しみを通して私たちを恵みへと導かれる。私たちが信仰の目で神を見上げる時、もうすでに恵みの回復が
始まっている。