2015年12月13日
 ルカの福音書 1章26〜38節
題目 「主に『はい』と応えよう」
高桑 照雄 牧師

説教(奨励)要旨

 主の選びをすべて受け入れたことが、マリアを救い主の母としました。マリアは、天使によって告げられた言葉は主か ら来たと知ります。彼女はその意味を問いながらも、その権威を疑っていません。「あなたは身ごもって男の子を産みます。・・・その子は・・・いと高き方の 子と呼ばれます」という言葉を聞いて彼女は、「どうして、そのようなことになりえましょう。私はまだ男の人を知りませんのに」と尋ねます。すると「聖霊が あなたの上に臨み、いと高き方の力があなたをおおいます」夫の代わりに聖霊があなたを覆う。その子の実の父は天の父である。それに対して、マリアは完全な 服従をもって応えました。「お言葉どおり、この身に成りますように」と。そのことによって、人となられた創造主> イエスの母となりました。
 ヨセフとの結婚生活に入っていない中での妊娠出産。それは不貞の女として、姦淫の女として、死を覚悟しなくてはならないかもしれない。家族、親戚、隣近 所、誰からも理解されない。何よりも、愛する婚約者ヨセフからの愛を失う。彼とのささやかで穏やかな幸せが失われる。すべてを覚悟の上で「従います」。主 の恩恵に対し一点の曇りもなく「はい」と応答した女性の内に、主は肉体を宿すことを選ばれました。
 彼女の人生は常に、神の意志へのまったき自己放棄であり、信仰によって自己をまったく無にして、愛する息子の死という暗闇に足を踏み入れることを意味し ました。無実の愛する息子が、陰謀によって殺される。みんなの前で死刑に、しかも惨めな十字架刑に処される。これほど苦しくつらいことはありません。マリ アは、すべての人類の誰よりも恵みを受け、そして誰よりも苦しんだ人です。
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