パウロは、この手紙の15:13をもってローマの教会に教え、勧めたかったことを語り終えます。次いでパウロは、
ローマ教会に行ける見通しに立って自己紹介をします。イエス様から異邦人伝道の使命を与えられて働いて来た事実を語り、すべてを支え・導かれたイエス様を
誇り、讃えます。伝道の原点について教えられてまいりましょう。
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1.18節にあります「従順」ということを覚えたいのです。
当然、イエス様である福音に従順であることです。パウロは、イエス様に聞き従う心と行いに「従順」という言葉を与えて大切なこととして教え・勧めており、ローマ書には、6回も用いています。
「従順」とは、”(戸をたたく音、ノックの音に)応える”という意味です。”戸をたたく音に応えて戸を開ける”ことです。大変よい例が、ヨハネの黙示録3:20にあります。
パウロは、異邦人の「従順」のためにイエス様の十字架と復活を持っての異邦人の心の戸を叩く働き、伝道をしてきたのです。
私たちもまた、私たちの隣人の「従順」のために呼び出された一人ひとりです。イエス様である福音をさらに良く知り、福音に生きて強く、深く隣人の心の戸を叩き続けるために神様に用いられること祈り続けてまいりましょう。
2.私たちの伝道の働きのすべてもまた、パウロと同じ三位一体の神様にあることを覚えたいのです。
神様は、パウロに、父なるまことの神様に仕える願いを起こし(17節)、イエス様のことばと行いにより、しるしと不思議をなす力により、さらにまた、聖霊の力によって異邦人を従順にならせたので(18、19節)、パウロは、当時の世界にくまなく伝道が出来たのでした。
私たち一人ひとりの、また教会の伝道の働きもこの三位一体の神様の力によることを覚え、ゆだねて遣わされ、用いられたいのです。
<結び>パウロの三つ目の誇りは、20節。それを支えたのは、21節(イザヤの預言52:15b)。そして、52:7”良い知らせを伝える者”。私たちもこのイザヤの預言にあずかり、連なる者でありたいのです。