■質問

もしクリスチャンになったら、お酒やたばこ、コーヒー などは禁止でしょうか?

■回答

教派によって異なりますが、大きく分けて、カトリック教会とルター教会、改革派教会は
「特に聖書は禁じていない」として、禁止してはおりません。
その他の多くは禁止に近いか、飲まないことを奨めています。

かつて、イギリス、オランダなどのヨーロッパの産業革命の担い手であった労働者達は、
厳しい労働条件の中で、経営者や資本家たちの、過酷な労働条件の中や賃金の搾取に
よって、病気や、精神的に追い詰められる人々が社会に溢れるようになりました。
その苦しさから逃れるために、酒におぼれ、アル中になって身を滅ぼす人が多く、悲惨な
状況が社会問題になって行きました。これを、救い出そうとして、キリスト教の伝道者達が
立ち上がりました。人間自身の救済のために聖書の宣教による人間改革が起こされ、
断酒運動が進められました。

また、アメリカでは酒の利権をめぐってマフィアの争いが起こり、酒が人心を腐敗させました。
こうした中で、教会はアルコールの類を飲まないようにしていこうとする考えが育ちました。
同時に聖書的にそれは禁じられているものかどうか議論をする神学者も現われ、実際に
禁じていると理解する教会も現われました。


しかし、今日、私自身の見解ですが、酒を飲む飲まないは救いの信仰にとって本質的な
問題ではないと考えます。 酒もタバコも今日一般社会においても、その人体に与える害の
大きさがいわれ、禁煙車両や、禁煙空間が広がっています。それは、その害の大きさが
わかってきているからです。

日本で禁酒道場を始めた方は、酒が赦されているカトリックの教会の神父さんであり、
アル中になってしまったことから、深い反省の後に意を決して禁酒運動から禁酒道場を
開くようになったと言われています。

酒の誘惑は大きいものがあります。酒で人生をだめにした人が多いのです。
現に知り合いの中には、子供達からも見放され、一家めちゃめちゃにされた男性がいます。
今その彼は声も出せない状況になって、見ていても気の毒な姿です。
他の人では、酒におぼれて、最後には自殺し、奥さんも最後にはガンで亡くなり、子供さん
たちは施設にあずけられたり、もらわれたりで気の毒な家族も知っています。

アメリカの麻薬研究者の一人が、最大の麻薬は「酒だ」と言われました。ですから、
禁酒されなくても、そのような害を及ぼすものは自ら進んで止められた方が良いので
はないかなあ、と思います。

コーヒーも適度にしなければ身体に悪いと言われています。
それは、何でも同じです。過ぎるといけないのです。教会でコーヒーを禁じていると
言うことは聞いたことがありません。ただ、健康のために飲み過ぎないようにとは言われる
でしょう。
それは、教会以外のところでも同じです。

聖書には「全てがゆるされています。しかし、すべたが益になるのではない。」と言われて
います。
全て、自由だけれど、放縦は決してよいものではないと言うことではないでしょうか。